豎

巻物と画面

二〇二六年八月七日

縦書きの文書は、もともと巻子本かんすぼんだった。右手で軸を持ち、左手で繰る。文章は右から左へ、めくるのではなく巻いて読み進める。画面の横スクロールは、この動きの直系の子孫である。

だからこの綴りでは、マウスの縦回転を横送りに読み替えている。手前に回せば左へ、向こうへ回せば右へ。指はいつもの動きのまま、画面の上では巻物が繰られていく。

巻を開けば益あり——昔の人は読書をそう言った。画面を繰るにも、益はあるだろうか。

巻物から新聞へ、新聞から画面へ。器は変わっても、右から左へ流れる時間の向きは変わらない。

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